12/26 ▶︎ ラプンツェルのモデル、モン・サン・ミシェル

今日からモン・サン・ミシェル2日間!でも実は、一度はモン・サン・ミシェルへ行くのを諦めていました。出発当日の朝、祖父の危篤の連絡を受けてて出発日をずらした時点で、旅行のはじめの方に予定していたパリとモン・サン・ミシェルは旅程から外していたんです。日本に残るお母さんの暖かい理解のおかげでお父さんにフランス滞在期間を伸ばすことができ、パリとモン・サン・ミシェルを後ろにくっつけることができたんです。

そして、実はディズニー映画、「塔の上のラプンツェル」のモデルにもなっている「モン・サン・ミシェル」。

こちらがラプンツェルに出てくる島、海に浮かぶ姿がそっくりそのままです。


神の父と書いて、神父(かみちち)

モン・サン・ミシェルを観光するためにも、民泊であるAirBnBを利用する予定だったんですが、お父さんが全ての支払いをしてやるよ、と、ツアーに申し込んでくれたんです。まじ神です。父ちゃんありがとう、、ということでパリからの移動費、ホテル宿泊費、入場料はお父さん持ちで実現することになりました。マジで神です。


実はパリから遠いモン・サン・ミシェル

モン・サン・ミシェルへは、大きく分けて「新幹線とバスを乗り継いで自力で行く」「パリから直行のツアーバスに乗って行く」に分かれると思いますが、モン・サン・ミシェルとパリはかなり離れていて、360kmもあるので、東京から名古屋へ行くよりも遠い距離に相当します。バスで行くと片道4時間くらい。丸一日観光するような場所ではないので、のんびり食事も兼ねて滞在するなら6時間もあれば十分ですが、バカンスの少ない私たち日本人が休暇を利用して行けるフランスは滞在期間が短く、片道4時間くらいの移動時間を考えると日帰りのツアーを組む方が良いとは思います。でも日帰りツアーだと、パリ7:30出発21:30戻りのプランでレストランでの食事込みで滞在時間3時間くらい、めっちゃ短いです。

パリよりも北へ行くイメージがあるモン・サン・ミシェルですが、地図上で確認するとパリよりも南に位置しています。水色が私たちの滞在先のYerres、黄色がParis、紫は自力で行くときの新幹線とバスの乗り換えをするRennesという街で、赤がモン・サン・ミシェルです。私たちは日本の会社が運営しているツアーを利用したのですが、緑の地点にある「オンフルール」という港町を経由してくれました。30分ほどだと思うんですが、日本人の添乗員さんが日本語で説明してくれながら写真スポットや街中を案内してくれました。


モン・サン・ミシェル

カトリックの巡礼の地で、708年にとある大司教が夢の中で大天使ミカエルに「この岩山に聖堂を建てよ」とお告げを聞いて、礼拝堂を作ったのが始まりだそうです。その後966年にノルマンディー公が修道院を建て、何度も増改築を重ね13世紀にはほぼ現在のような形になったそうです。

湾内に浮かんだように建つモン・サン・ミシェルですが、引き潮により沖合い18kmまで引いた潮が、猛烈な速度で押し寄せ、このためかつては多くの巡礼者が潮に飲まれて命を落としたといい、「モン・サン・ミシェルに行くなら、遺書を置いて行け」という言い伝えがあったほどだそう。今でも底なし沼がそこら中にあって、専門のツアーガイド無しに湾に降りて底なし沼に足を取られて、命を落とす観光客もいるそうです。1979年に「モン=サン=ミシェルとその湾」としてユネスコ世界遺産に登録されています。これも結構最近なんですね。


集合時間は7:15、夜明け前に出発

私たちが利用したのは7年前にも利用した「マイバス」のツアー。昼前に到着してレストランでの食事も込みのツアーだったので、朝早くに集合です。ちょっと早めの6:30到着を目指して、5:30にはYerresの家を出発、暗いうちに無事マイバス社に到着しました。

中で待てないかな?と中を覗くお父さん。朝の早い時間帯だったのでまだオープンすらしていませんでした。そうこうしているうちに日本人の窓口のお姉さんが出勤、待たせてほしいとお願いしましたが「掃除しなきゃいけないから無理」と一蹴。寒すぎるし雨も降ってるので近くのカフェで時間を潰すことに。

テラス席もあるこのカフェ、「ここ7年前にマイバス社のツアー利用した時にも来たカフェじゃない?」とお父さん、写真を探したけど見つからず。

紅茶とコーヒーを頼んで一休み。そのうち次々に日本人のグループが入って来ました、みんな目的は同じみたい。「まだ開いてないんですね〜もうすぐ集合時間なのに!」と近くのテーブルのおじさんとお父さんはお話ししてました。


「なんでも聞いて、俺なんでも知っちゃってるから」風な添乗員

なんとかっていうえらい資格を持ってると自慢する添乗員さんでした。あんまり好きになれなくて、バス内でも話を聞く気になれず笑 マイバス社の社員さんではないそうで、学校だかの先生と言ってました。フランスでフランスの歴史だかを教えるくらいなのでかなり博学なんだと思うんですが、「私すごいんですよ、」感が満載でした笑

走り出したバスの中で、Antonyが持たせてくれたバナナとみかんで朝食。電車でみかんを食べると結構な匂いがすると思うんですが、ごめんなさい。

8:30くらい、やっと陽が登って来て空が白んできました。広い農地を走り抜けます。

途中で寄ったサービスエリアの自販機の、1.7€のトマトスープを買ったんですが、これがマジで美味しかった。。帰りにも買いました笑


聞こえてきた添乗員さんのウンチク

ツアーバスには2人の運転手さんがいて、途中で交代して運転していくスタイルでした。理由は「疲れちゃうから」という単純なものではなく、「業務用の車(バスや業者のトラックなど)は1人につき1日合計9時間運転してはいけない」という決まりがあるそうです。しかも車自体に4時間30分を超えると自動でエンジンがストップする仕組みにもなっていて、運転事故を未然に防ぐ仕組みになっているそう。今回のツアーは合計4時間、渋滞に巻き込まれればそれ以上走ることにもなるので、どこかで休憩を挟みエンジンを切る必要があるということでした。ちなみに運転手さんは1人1人IDカードみたいなものを持っていて、車にセッティングして時間をカウントしているそうです。


小さな港町、オンフルール

観光地としても有名なオンフルール。

絵葉書にもなるくらい、この木組みのカラフルな家が並ぶ様子が可愛らしい。

「hôtel de ville」は直訳で「村のホテル」という意味ですが、どういう意味だろう?ちゃっかり添乗員さんに聞いてみたら、「市役所」を指すそうです。

この日は風があって水面が揺れていますが、風がない日は水面に綺麗にくっきり建物が反映されて、美しく見えるそうです。残念。

ツアーの参加者は私たちを入れて43人。なんと一泊でのツアー参加は私たちだけで、残りの41人は日帰りだそうです。

大きな船に並んで、小さな船もありました。ミニチュアみたいでなんと可愛い。


島内へ行くためのシャトルバス乗車場に到着

遠くにモン・サン・ミシェルを確認した時は大興奮!!長い移動時間をかけてやっと到着です。

島内と対岸エリアのマップはこんな感じ。私たちが食事をしたのは⑦のホテルにあるレストラン。宿泊もここです。モン・サン・ミシェルが建つ島内へはツアーのバスでは直接行けず、島内と対岸エリアを繋ぐ無料のシャトルバスが15分間隔で出ています。

私たちのツアーは、対岸エリアにあるレストランでの食事も込みでした。有名なふわふわなオムレツをいただけるレストラン。「美味しいと期待せずに、こういうものなんだ!と思って食べるものです」と説明してました。ウエイターさんが一人ずつ配膳してくれます。

卵とメレンゲのような泡でできた、味付けの無いシンプルなオムレツです。

飲み物は1杯だけ、シードルかりんごジュースを選べます、私はりんごジュース、たっぷり注がれたりんごジュースはめっちゃ濃厚でした。

ホワホワすぎるオムレツだけではお腹は膨れない…これで食事全部だったらどうしよう…と思っていたら、ちゃんとでてきました、美味しい魚料理!下には味付けされたお米が敷いてあってマジおいしかった…

デザートにリンゴのケーキまで頂いて大満足でした。結構お腹いっぱい。

添乗員の説明は無いプランにしてたので、私とお父さんはデザートを食べ終わったタイミングで明日の終業時間まで自由時間開始。レストランを出たすぐのところにシャトルバス乗り場があり、すぐにバスに乗って島内を目指しました。


バスは超満員。乗車時間5分で島内入り口へ

超満員で乗れず1本見送り、次のバスになんとか乗れました。そしてきましたモン・サン・ミシェル!ここも一度はきて見たかったところなので、本当に感激しました。。

周りに何も無いからか、風が強くて目をまっすぐ開けていられないほど。そんな中パチリ。

渡橋のすぐ下には川に削られた沼?のような地面が広がっています。きっといくつも人骨が埋まってるんでしょうね、、安全な足場を選んで歩いてくれる専門家?ツアー?だと思われる団体がいくつか歩いてました。

馬車のようなものも見かけました。

島の入り口は右下部分にあり、門があります。※ネットから写真拝借

中に入ると狭い道を挟んでぎっしりとお土産屋さんが並んでいました。この建物がたくさんあるエリアの、もっと上に登って行った方に、島内のホテルがあります。

ぐんぐん上に登って行くと、モン・サン・ミシェル内に入るための入り口にたどり着きます。

一番上から見下ろした風景はこんな感じ。自家用車で来る場合は島内まで入ることができるみたいです。犬を連れた観光客もたくさん見かけました。

中に入ると、一番最初に建てた聖堂の模型、それに至るまでの模型、そして現在の形態の模型がありました。

こっちが現在の形態の模型。

進んで行くうちに何度か外に出ることができ、外を見渡せました。干潟が広がっています。

お祈りをする場所。

ここにもパイプオルガン。

パイプオルガンのすぐ下には、演奏するための場所が。

途中の屋外テラスのような場所に、修理の歴史?の看板が出てました。

見てください!一番右は日本語です。それだけ日本人観光客が多いってことですね。フランスに来て看板に日本語が書いてあるのは初めて見ました。

有名な回廊。

ここは出口。ものすごく豪華な造りでは無いし、キラキラするもので飾られてはいないけど、時間を感じる建物でした。

外に出てみると、ライトアップするための装置が仕掛けられてました。

下町から見上げたモン・サン・ミシェル。


今回の旅行の唯一のホテルへ

今回のメインの宿泊方法であるAirBnBでは、清潔で綺麗な住まいもあれば、生活感ががっつり感じられるところもありました。

でもここはホテル、清潔そのものです…

お風呂にも浸かれて体があったまりました。。やっぱり湯船最高。

対岸エリアに唯一あるスーパーで調達して来た晩酌セットで、ささやかながら今回の旅行の成功をお祝いしました。

ちなみに今日の強い風のせいで、お父さんの折り畳み傘は壊れました。「母ちゃんに買ってもらった良い傘だったのに、、」とかなり悲しそうでした。お母さん、また買ってあげてね。

明日は旅行最終日。モン・サン・ミシェル島内をもう一度ゆっくり歩き、パリに戻ります。

0コメント

  • 1000 / 1000